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聴覚障害者向け映像ライブラリー事業

聴覚障害者向けライブラリー事業とは

「聴覚障害者向け映像ライブラリー事業」とは、聞こえに障害を伴っている方々が無料で利用できる字幕付きまたは手話付き映像作品の提供を行なう事業です。
映像作品は、都道府県が実施する地域生活支援事業に基づき、全国の聴覚障害者情報提供施設並びにライブラリー機関(以下、「貸出機関」)に提供します。提供する作品は、当センターの各種事業により制作する作品のほか、委託制作作品、全国の情報提供施設からの寄贈作品、各種団体や企業などからの寄贈作品などです。年間約100~130作品程度の聴覚障害者向け映像作品の提供を行なっています。

共同事業のはじまり

聴覚障害者向け映像ライブラリー事業の中心になる事業が、「字幕ビデオライブラリー共同事業(以下、共同事業)」です。
字幕放送が開始されていなかった1980(昭和55)年、放映された番組に字幕を付けたビデオテープを作成し、聴覚障害者に無料での貸し出しを始めました。
聴覚障害者はもちろん、家族、学校関係者などの多くの方々からの希望があってのスタートでした。その後、字幕ビデオへの期待と需要の高まりから、1987(昭和62)年に2県2市の参加を得て、「字幕ビデオライブラリー共同事業」として、全国の聴覚障害者が字幕ビデオでテレビ番組や日本映画を楽しめる事業へと展開しています。
現在は、47都道府県4政令市3一般市が参加し、メディア(記憶媒体)もビデオテープからDVDへと変わりました。

作品の制作から貸出まで

共同事業の作品については、社会福祉法人聴力障害者情報文化センター(以下、「情文センター」)が作品の著作権者と、その権利処理について包括契約を締結しています。共同事業では、貸出機関を通して「制作希望作品調査」を実施し、その集計を元に「作品選定」し、次年度の制作予定作品を決定します。そして著作権者から映像原盤入手のための権利処理等を行い、映像原盤に字幕、手話を付加し、プレス(DVDに複製)して、各貸出機関に頒布します。

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幅広いジャンルの作品を提供します

共同事業の作品は、日々の生活を心豊かにする映画などの娯楽作品以外に、レンタルDVDでは入手しづらい福祉や聴覚障害を扱った番組、官公庁制作の啓発・情報作品、社会教材など幅広いジャンルの作品をそろえています。これらの作品は、聴覚障害者が日々の生活を送る上での大事な情報源となります。

聴覚障害者自身が字幕を選択できます

作品にはすべて聴覚障害者向け字幕※が入っています。
また一部作品では、「全文字幕」「要約字幕」、「読みがな付き」「読みがななし」など複数の字幕の中から、利用者が自分に合った字幕を選ぶことができます。

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手話付加作品も提供開始しました

平成24年度から、「作品を手話で楽しみたい」という強い要望にお応えして、日本語を手話に翻訳して付加した作品も提供を開始しました。これは作品の情報保障手段として、従来の聴覚障害者向け字幕にプラスして手話も選択できるようにしたものです。
これらの手話付加作品では、「手話」「手話+字幕」「字幕」など、利用者が自分に合った情報保障を選ぶことができます。
手話付加作品では、「見やすい」「わかりやすい」手話を心がけ、手話キャスター・ろう者劇団員・ろう学校教師等の聴覚障害者や手話通訳士による手話表現を、表情や指文字までハッキリ見える大きなサイズで表示しています。

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作品は利用者の希望を基に選定しています

共同事業の作品は、貸出機関等から寄せられた利用者の希望に基づいて選定しています。
(1)人権・生命・財産を守るための生活支援に資する作品
(2)安全安心に暮らすための生活支援に資する作品
(3)心豊かに過ごすための生活支援に資する作品
この3項目を基本に、聴覚障害者を扱った作品や現在では入手しづらい作品など、記録性の高い作品も数多く提供しています。

字幕の位置に配慮しています

元映像から入っている字幕や画面中央の大事な映像情報を隠さないように、字幕の位置に配慮しています。

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製作者からの提供映像だから見やすくてきれいです

DVDに収録された映像は製作者※提供のマスターテープから複製しています。利用者に同一性保持を遵守した美しい本編映像を提供するためです。したがってノイズや緊急テロップが入ったり、映像や音声が途中でとぎれることはありません。もちろん放送時のCMはカットしています。
また登場人物の顔や大事な映像が字幕で隠れないように、共同事業の作品では字幕位置を工夫して、より見やすい状態で提供しています。
DVDにはコピーガードがかけられ、不正な使用はできないように配慮しています。
※製作者(=著作権者)とは「テレビ局」「映画製作会社」「プロダクション」等のことです。

上映会でも使用できます

レンタルDVDや文字放送の複製物の使用は基本的に「個人視聴」に限定されており、集団で作品を楽しむことはできません。
しかし共同事業の作品の中(利用区分の末尾が「3」の作品)には、集団での視聴や非営利の上映会にも使用できるものがかなり含まれています。